公開日時:2025-11-30 更新日時: 2025-12-05

システムトレードで勝てない人が確認すべき3つのポイントとメンタルの壁

シストレで勝てない“原因”は、大きく3つしかありません。

  • 「バックテストは+100%なのに実運用でマイナス…」
  • 「勝率65%のはずが3ヶ月で資金半分に…」
  • 「10万円で買ったストラテジーが全然勝てない…」

あなたは今、こんな状況ではないでしょうか?

結論から言えば、

原因のほとんどは「優位性」「 バックテスト の再現性」「リスク管理」の3つに集約されます。
この3つを理解すると、どんなロジックでも“なぜ勝てないのか?” を自分で判断できる軸が手に入ります。

✅️ このページでは“要点だけ”を解説しています。
詳しい手法や計算方法は、各リンク先で深掘りできます。

📺 この記事の内容は、下記の動画でもわかりやすく解説しています!

現在チャンネルはリニューアル中です。(※部分的に非公開になっています)近日、新しい動画・キャラクターで公開予定!

「読むより観たい派」の方は、まずこちらの動画をどうぞ!

ストラテジーの売り文句を安易に信じるのは危険

勝率 70%!月利10%!推奨 ロット 〇〇で安全運用!」

こんな売り文句、一見すると完璧ですよね。
ですが、この数字は “何も示していません”

理由①:その数字がどの条件で出たものか不明

  • 銘柄・期間・市場環境・ボラティリティ
  • → どれが違っても結果は大きく変わります。

✅️ “70% の 勝率 ”だけを見ても再現性はゼロです。

理由②:バックテストの数字は現実と乖離する

バックテスト では、

  • 約定ズレなし
  • 手数料ほぼゼロ
  • 板の薄さを考慮しない

という理想条件で計算されている事が多いです。

実運用では、

  • スリッページ
  • コスト
  • 流動性不足(板が薄い)

これらで成績が大きく崩れます。

理由③:推奨ロットが全くアテにならない

最適な ロット 運用資金で変わります

同じ1 ロット でも資金10万 / 100万 / 1000万 ではリスクが別物。
にもかかわらず「推奨 ロット 〇〇」は論理的に破綻しています。

では、どう対応すれば良いのか?

ポイントは3つです。

  • 優位性があるか
  • バックテストの再現性が確保されているか
  • リスク管理が破綻していないか

この3つだけで、トレードの失敗要因の多くを潰せます。

1. 優位性があるか

「なんとなく良さそう」では絶対に勝てません。見るべきは数値です。

  • 勝率
  • PF(プロフィットファクター)
  • RR(リスクリワード)
  • 最大DD
  • 期待値

例えば 勝率 70%でも RRが0.4なら、 期待値 はマイナス になります。

👉 勝率・PF・ペイオフレシオ・期待値についてはこちら

2. バックテストの“再現性”は適切か

バックテスト の良い数字はスタート地点。重要なのは「現実で再現できるか」。

  • カーブフィッティング(過剰最適化)
  • サンプル不足
  • 期間依存
  • 特定相場だけ強いロジック

これらはすべて危険サイン。

👉 カーブフィッティングの解説はこちら

実運用コスト・流動性・約定のズレを考慮しているか

バックテスト は理想的条件で動きます。

手数料・スリッページ

  • 手数料0、スリッページ0で “年利50%!
  • → 実運用ではプラスが一気にマイナスへ。

流動性の制約

バックテスト ローソク足 データのみ。
→ 板情報(Level 2)は反映されない。

だから、

  • 本来買えない量を「買えた」と判定する
  • 大口注文で相場に与える影響を無視する

という不自然な前提が積み重なります。

👉 バックテストの限界はこちら

3. リスク管理(ロット管理)が間違っていないか

どんな優秀な戦略も、 ロット 管理を間違えると一発で破綻します。

ケリー基準 ・バルサラ表を使えば、

  • 「理論的に最適なロット」
  • 「破産確率を0.1%に抑えるロット」

を計算できます。

👉 ロット設計の記事はこちら

ドローダウン(DD)と運用者自身のメンタル管理

✅️ ここまでの3つが戦略設計の核心ですが、多くの人が最後に直面するのが “メンタル管理” の問題です。

基本的にはこの3つを正しく理解して設計できていれば、長期的に勝てる可能性は一気に高まります。

しかし、多くの人が最後にぶつかる壁があります。それが ドローダウン (DD)と運用者自身のメンタル管理」 です。

どれだけ理論的に完璧な戦略でも、

  • DDが想定より深くなる
  • 連敗が続く
  • 資産曲線が横ばいの期間が長い

こういった局面で ルール逸脱が起きると、すべてが崩れます。

忍耐の期間は必ず発生する

ざっくり言うと、どうしても “ガマンの期間” が発生します。

そしてこの期間に訪れる 疑心暗鬼・不安・焦り に耐えながら、それでも ルールを崩さず淡々と売買を執行し続ける のは、正直"かなりしんどい"です。

例えば──

  • 直感的には「下がりそう」と感じる。
    • →でもシステムは「ここがエントリーポイント」と示す。
    • →ルール通りにエントリーする。
    • 途端に下がる。
  • そしてこういった売買が、 1ヶ月以上繰り返して資金がジワジワ減る。

こういったことが、実際に起こりえます。
それでも、ルール通りに執行し続けなければいけません。

最後に残るのは“メンタルの壁”

この“忍耐の期間”は机上の知識では埋まりません。
運用者自身が経験を積むことで、徐々に慣れていくしかない領域です。

言い換えると、勝てる戦略を持っているのに勝てない人の“最後の敗因”は、
戦略そのものではなく、システムを信じ切れないメンタル。

メンタルへの備えは下記でも詳しく紹介しています。

👉️ 損失に耐える力|システムトレード運用者のメンタルと実践マインド

まとめ:勝てない理由は「理解不足」に起因する戦略設計の脆さとメンタルが原因の可能性が高いです。

多くの人が勝てないのは、戦略が悪いのではなく

  • 優位性
  • バックテスト
  • リスク管理

この3つの理解が浅い可能性が高いです。

さらに、長期で運用する上では メンタル管理の難しさ も勝敗を左右します。

どれだけ理論的に完璧な戦略でも、連敗やDDの期間に耐え切れずルールを逸脱すると全てが崩れるのが システムトレード の現実です。

逆にこの3つを押さえ、かつ ガマンの期間を耐え抜くメンタル を持てば:

  • どんなロジックが危険か
  • どんなバックテストが信用できるか
  • どんな戦略が長期で残るか

が自然と理解できるようになります。

✅️ ※どんな戦略でも「市場環境の変化」で優位性が薄れる可能性はあります。
だからこそ、優位性、 バックテスト の再現性と、リスク管理の3つがセットで重要になります。

下記の記事を順番に沿って進めれば、

「精度の高い バックテスト → 実運用に耐えうるロジック評価」 までスムーズに理解できます。

あなたの状況に応じて、必要な情報を選びながら活用してください。

👉️ 負けない為の理論的な戦略設計と最適化ガイド

TradingView初心者ステップガイド
自動売買環境を
最短ロードマップで構築
今すぐ始める

※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。紹介内容は実体験・調査に基づき、正確さを心がけています。

あわせて読みたい

  • バックテスト

    バックテストとは、過去の市場データを使って、トレード戦略の有効性を検証する手法で、勝率やリスクを事前に数値化できます。

    バックテストとは?売買を始める前に必ずやっておきたい検証ステップ

  • ロット

    ロットとは、金融取引における取引数量の単位を指す言葉で、株・FX・先物など幅広い市場で使われる基本用語です。

  • 勝率

    勝率(しょうりつ) 全トレードのうち、利益が出た回数の割合を%で示す指標。戦略のパフォーマンスを測る基本要素の一つ。

  • 期待値

    期待値とは、ある取引を繰り返した場合に得られる平均的な利益(または損失)を示す数値で、長期的な優位性の判断に使われます。

  • ローソク足

    ローソク足は、チャート上に表示される価格の動きをひと目で把握できる“棒グラフ”のような表示形式です。 日本発祥の分析手法で、世界中のトレーダーが使っている超基本かつ強力なツールでもあります。 始値・高値・安値・終値(OHLC)の4つを1本の足で示すチャート形式。相場の流れや売買の力関係、投資家心理の読み取りに使われます。

  • ケリー基準

    ケリー基準は、資金をどれだけ投資すれば資産が長期的に最大化されるかを計算する資金管理法。元はギャンブル理論ですが、今ではトレードのポジションサイズ決定にも活用されています。

  • ドローダウン

    ドローダウンとは、資産のピーク(最高値)からどれだけ下落したかを示す指標で、損失の大きさや運用リスクを評価する際に使われます。

  • システムトレード

    システムトレードとは、事前に決めた売買ルールに基づき、感情を排して機械的に取引する手法です。略して「シストレ」とも呼ばれます。

Kabutech Lab.のご案内

無料で実践的なテクニカル分析を学ぶことができます。
初心者でも順を追って学べるよう、 すぐにトレードに活かせる知識を体系的に学べます。
さらに、自動売買構築・バックテスト・ストラテジー作成 にも応用できます。

Kabutech Lab.