「もう裁量じゃ無理かも…」そう思った筆者が自動売買に踏み出した話

「
裁量トレード
で勝てない」「自分に合うやり方がわからない」
そんな壁にぶつかっていた筆者が、
デイトレ
に“
自動売買
”という視点を取り入れた結果、選んだのは三菱UFJグループのeスマート証券でした。
この記事はこんな方に向けています
- 裁量トレードで勝てずに悩んでいる方
- デイトレに限界を感じ、「自分に合うやり方」を模索している方
- 自動売買に興味があるが、何から始めていいかわからない方
- 楽天やSBI以外の選択肢にピンと来ていない方
- プログラミング経験を活かして、トレードの自動化を検討している方
楽天やSBIといった人気証券会社ではなく、なぜあえてこの選択に至ったのか。
本記事ではその理由と背景、選んだことで見えてきたものを、実体験ベースでお伝えします。
裁量トレードで勝てない理由と、個人投資家がつまずく壁

トレードを始めた当初は、いわゆる裁量で短期売買をしていました。
しかし「損切り貧乏」「ポジポジ病」など、感情の影響が想像以上に大きく、何度も負けては反省の繰り返し。
そんな中で「このまま
デイトレ
を続けるべきなのか…」と悩み、
一時期は実際にトレードから距離を置いたこともあります。
ただ、マーケットから完全に離れたわけではなく、情報収集は続けていました。
掲示板やSNSでは
「機関のアルゴが…!」
「アルゴにやられた!」
といった言葉をよく見かけ、
ふと「じゃあその“アルゴ”を個人が使えたら、逆に武器になるんじゃないか?」
と考えるようになりました。
自動売買は個人でも可能?筆者がAPIに注目した理由

そこから、個人でも扱える
自動売買
ツールや
API
について情報を集めていく中で、
候補に上がったのが証券会社の
API
連携です。
- 三菱UFJ eスマート証券:
- REST APIを公式に提供しており、株式売買を自前ロジックで制御できます。Node.jsやPythonなど、なじみのある言語で柔軟に実装できる点が大きな魅力です。
- SBI証券:
- APIに対応していますが、先物のみが対象で、株式の自動売買には非対応です。
- 楽天証券:
- RSSを活用することで、Excelを使った株価取得・自動発注が可能です。より細かな制御にはVBAなどの知識が必要になりますが、Excelに慣れている人にとっては取り組みやすい選択肢といえます。
とくに eスマート証券 の「 REST API 」は、本業がWebエンジニアである筆者にとって馴染みのあるNode.jsなどの言語から扱いやすい形式で、非常に取り組みやすい印象でした。
筆者はふだんMacを使っており、開発や検証もローカル環境で完結させたい派です。そうした意味でも、 API ベースで完結できる eスマート証券 の仕組みは、Macユーザーにとって現実的な選択肢と感じました。
なお、発注に必要な「 kabuステーション 」はWindows専用のため、Macで使う場合は 仮想環境 ( Parallels など)を併用する必要があります。
仮想化の詳しい手順はこちらの記事で解説しています。
このあたりもふくめて、自分の環境に合った構成を組めるかどうかは、証券会社選びの重要なポイントだと思います。
「これは自分の手に届く範囲だ」と感じられたのが大きかったです。
エクセルやマクロよりも、コードを書く方が直感的に感じるタイプだったこともあり、
この
API
の存在は明確な決め手になりました。
シンプルに始めたい人にも扱いやすく、実際に使ってみて「これはちょうどいい」と感じたので、興味があればチェックしてみてください。
初心者OK!TradingViewとAPIで簡単に始める自動売買

とはいえ、いきなり高度なシステムを構築したわけではありません。
自動売買といっても、最初は売買ルールも実装もごくシンプルなものでした。
この記事では比較的コードが明るい人向けの内容になっていますが、
初心者でも TradingView などを活用すれば、難しいロジックなしに始めることも可能です。
たとえばシンプルな「ゴールデンクロスで買い」「損切りラインで売り」などのロジックを使い、
- TradingViewで売買シグナルを検出 → 通知(Webhook)
- → TradingViewアプリ上でボタン操作だけで設定できます(コード不要)
- 通知を受け取って、kabu APIで発注
- → かんたんなスクリプトを使えば、売買の自動化もすぐ試せます。
単純な例ですがという上記のような流れだけでも 自動売買 は十分に成立します。
Webhook連携の詳しい手順はこちらの記事で解説しています。
もちろん高度なロジックやシステムを構築して独自の戦略を組むことも可能です。
筆者自身、現在は自作の バックテスト 環境を使いながら、発注部分はkabu API と連携させたシステムで自動化しています。もちろん、これも最初から一気に作ったわけではなく、少しずつ改善を重ねてきました。
爆益じゃなくてもOK。感情に振り回されない自分なりのトレード

正直なところ、筆者はいまもそこまで勝てているわけではありません。
でも、
裁量トレード
で消耗していた頃と比べて、
「少なくとも感情に引きずられない環境を作れた」ことは、ひとつの成果と感じています。
また、 自動売買 という分野を知ったことで、「仕組みで補える部分」と「人間が判断すべき部分」を分けて考える視点が得られたことも大きかったです。
コードが少し書けるだけで、自動売買の世界がぐっと身近になる

自動売買
というと難しく感じるかもしれませんが、
基本的な構文さえ理解できれば、最低限のロジックで動かすことは十分可能です。
筆者は本業でエンジニアをしていますが、トレードに関してはあくまで趣味と興味からの応用です。
最初から
自動売買
に詳しかったわけではなく、
「自分がやりたいことに合うツールや方法」を探していく中で、
少しずつ仕組みを作れるようになっていきました。
コードが書ける・書けないよりも、「仕組みで解決する」という考え方を持つことで、
見えてくる世界が変わる――そんな選択肢があることを、少しでも伝えられたら嬉しいです。