【勝率60%で検証】合理的な資金管理とは?ケリー基準・バルサラ式で導く最適解

優位性があるという前提で、合理的なリスクの取り方について、初心者にも分かりやすく解説していきます。
資金管理は、トレードで利益を積み上げるうえで欠かせないスキルです。
たとえ 勝率 が高くても、リスクの取り方を間違えればあっという間に退場してしまいます。
この記事はこんな方に向けています
- トレード初心者で、まずは「手法」よりも資金管理を学びたい方
- 勝率はある程度あるのに資金が増えず、何度も資金を失ってしまう方
- リスク管理の理論を知って、破産せずに長く勝ち続けたい方
- 数字や理論が苦手でも、わかりやすく合理的な資金管理を理解したい方
資金管理はトレードの土台となる大事な考え方です。
この記事を通じて、難しい理論もできるだけ噛み砕いて解説し、あなたが安定して勝ち続けるための助けになれば嬉しいです。
検証:勝率60%・リスクリワード1の合理的資金管理シミュレーション

今回は「 勝率 60%・ リスクリワード 1」という前提のもと、どのように資金をベットすれば合理的かを、ケリー基準やバルサラ破産確率などの理論を使って検証していきます。
- 勝率:60%
- リスクリワード:1(賭けた金額と同等のリターン)
- 運用資金:100万円
- ベット金額:自由に設定可
- ゲーム回数:1日1回プレイ可能
破産一直線!? フルベット戦略のリスク(100万円)
最初に思いつくのは「フルベット戦略」、つまり100万円すべてを1回に賭ける方法です。
仮に5連勝すれば、たった5日で資金は3200万円になります。
ただこの場合感覚的に分かると思いますがデメリットとしては一度でも負けたら 0 になります。
カイジがやっていそうな、スリル満点のリスキーなギャンブルです。
勝率に優位性があったとしても、リスクを取りすぎると破産してしまいます。
- 1回勝てば資金2倍 → 連勝すれば大きな利益
- デメリット:1回負ければ即破産
リスクを最小限に!小額ベットで“堅実に勝つ”という選択(例:1000円)
逆に、1日1000円だけベットするという選択もあります。
仮に5連勝しても利益は5000円。
もちろん負ける場合もあるので良くてお小遣い程度にしかならない気がします。
損失も少ないですが、「ほとんど資金が増えない」という問題があります。
- 5連勝しても利益は5000円
- メリット:損失は小さいが、資産がほぼ増えない
このように、リスクを取りすぎても、逆に取らなさすぎても非効率です。
ではどの程度のリスクが“ちょうどよい”のでしょうか?
【ケリー基準とは?】勝率と損益比から導く最適な投資額とは

「ケリー基準」は、
勝率
と損益比から最適なベット割合を導く数式です。
資金を最大効率で増やすためのロジカルなアプローチとして有名です。
ケリー基準 = 勝率 − (1 − 勝率) ÷ リスクリワード
先程の例に当てはめて
資金 100 万スタート
勝率
60%
リスクリワード
1
これらの条件で数値を出してみると
今回の条件でケリー公式に当てはめると:
- 勝率:60%(=0.6)
- 損益比(リスクリワード):1
- → ケリー比:20%
つまり、100万円なら20万円をベットすれば、理論的に最も効率的に資金を増やせるということです。
【現実的運用】フルケリーはメンタルが試される

ただし、
ケリー基準
はあくまで「数学的に最適な答え」。
実際に20万円を1回で失うリスクを受け入れられるかどうかは、メンタル次第です。
資産が1000万円まで増えたとしても、一度に200万円の損失を出して冷静でいられるでしょうか?
運用するのはあくまで自身であり、失う資産も自身の資産です。
特にトレードの場合
バックテスト
である程度
勝率
等は想定できますが、
実際に想定通りに動くかどうかは、結局やってみないと分からず、不安がのしかかります。
そのため多くの実践者は:
- フルケリー(100%) → 精神的に厳しい
- ハーフケリー(50%)やクォーターケリー(25%) → 現実的な選択肢
といった形で、リスク許容度に応じて調整しています。
このあたりは、自身のメンタルや戦略の信頼性との相談になります。
【資金が尽きる前に】バルサラ式リスク管理で“長く勝ち続ける”方法

ケリー基準
は「資金を最大化する攻めの考え方」ですが、もう一つ大事な考え方があります。
それが「バルサラ破産確率」。
例えば、 勝率 60%・ リスクリワード 1で、1回のトレードで資金の1%しかリスクを取らなければ、 破産確率 は1.6%程度。
- ケリー:資金増加の最大化
- バルサラ:破産回避の最適化
この2つの理論を併用することで、**“攻めと守りのバランスが取れた資金管理”**が可能になります。
【初心者もOK】資金管理の理論を“実際のエントリー”に落とし込む方法

では、ここまでの理論を実際のトレードにどう活かすかを考えてみましょう。
リスクリワードを1に設定
これは、利益と損失が同じになるように設定すれば問題ありません。
ある所定のポイントで
エントリー
した場合に利確と損切りを同じ金額に設定します。
勝率60%の戦略を見つける
これは上記の
リスクリワード
1を踏まえて、
勝率が60%以上になる
エントリー
ポイントを、**
バックテスト
などを活用して探し出す**必要があります。
再現性が重要なので、曖昧な“なんとなく
エントリー
”は避けましょう。
🔰 バックテストには「TradingView」がおすすめです。
高機能な
チャート
ツールで、
エントリー
ポイントの検証やルールの再現性チェックに最適。
無料でも使えますし、有料プランでは過去の価格データを長期間にわたって検証できます。
【結論】合理的な資金管理で“期待値を積み上げる”

実際にやることは、これだけです。
それができれば、理論上は資金が増えていきます。
資金管理は感覚や勘ではなく、理論に基づいて考えることで飛躍的に改善できます。
まとめ:
- ケリー基準:攻めの最適解
- バルサラ破産確率:守りの指標
- 両者を踏まえて、自分のメンタルに合ったリスクを取るのが理想的
- 実際のトレードでは「勝率×リスクリワード×資金管理」が鍵
筆者としては、トレードは“知識と再現性で勝つゲーム”だと考えています。
感情や運に振り回されず、ロジカルに資金を増やす方法を身につけることが、長く勝ち続ける鍵です。
ここまで説明した合理的な資金管理ができれば、資金の減少リスクを抑えながら安定的な成長が期待できます。
しかし、資金をただ一定額ずつ増やしていくだけではなく、さらに効率的に資産を増やす方法として「
複利運用
」があります。
複利は、利益を再投資して元本を増やし続けることで、資金を直線的ではなく“加速度的”に増やす強力な戦略です。
次の記事では、複利の驚異的な効果やメリット・デメリットについて、わかりやすく解説しています。
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