トレード初心者が最初に知るべき“ルールの重要性”とは？
トレードを始めると、よく「ルールを守ることが大事」と言われます。
でも実際のところ、最初は チャート を見て「いけそう」と感じたらなんとなく エントリー して、含み益が出ればすぐ利確、含み損になれば不安になって即損切り──そんな感覚的なトレードをしてしまいがちです。
筆者もまさにそうでした。その結果、ジワジワと資金を減らしていく日々が続きました。このような「なんとなくのトレード」には、そもそも明確なルールや手法が存在していません。
つまり、“ルールを守る”という以前に、ルールそのものがない状態です。
ルールがなければ、トレードの判断は感情や偶然に左右されてしまい、勝ち続けることは非常に困難になります。
この記事はこんな方に向けています
- トレードを始めたばかりで「ルールを守れ」と言われてもピンとこない方
- チャートを見てなんとなくエントリーしてしまうことが多い方
- 感覚的なトレードで資金を減らしてしまった経験がある方
- 「勝っている人は特別な才能があるのでは？」と不安を感じている方
本記事では、そんな**「凡人トレーダー」**が再現性あるトレードルールを構築し、着実に生き残っていくための考え方と手順を、実体験を交えて解説します。
天才でなくても勝てる──そのヒントを、この記事でつかんでいただけたらと思います。
「そもそも“トレードのルール”とは何か？」
トレードでは「ルールを守れ」とよく言われますが、当初の筆者は「ルール」そのものが抽象的で「何を守ればいいのか？」と戸惑っていました。
「そもそも、何のルール？」「どうやって決めるの？」そう疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
筆者なりの理解では、この“ルール”とは
自分なりに根拠を持った、明確な売買基準──つまり「勝てる手法」「トレードルール」のことを指しているのだと思います。
ルールが無い状態でトレードを続けるには危険
筆者は当初、 スキャルピング の真似事からトレードを始めました。逆張りでコツコツ勝てる日もあったものの、トレンドに逆らった瞬間に一撃退場──“ コツコツドカン ”の典型でした。
スイング に切り替えても「損切り幅に余裕を持て」といった曖昧な情報を鵜呑みにし、含み損をズルズルと放置。結果、 追証 ・強制決済──と典型的な失敗パターンを繰り返していました。
短期的な勝ちは、ルールなきトレードを勘違いさせる
一時的には勝てる時期もあり、「自分はイケるかも？」と錯覚する場面もありました。ですが、根拠のないトレードでの勝利は、ほとんどが偶然です。
ロット を増やしての コツコツドカン 、過去の チャート を根拠にした“希望的観測”の耐え──最終的には強制ロスカット。
感覚任せでの売買では、長期的に見て必ず負けに収束していきます。筆者自身、そんな状態が1年以上続き「もう辞めようか」と悩むほどでした。
ルールを持たずに相場に挑むのは、「泳ぎ方を知らずに海に飛び込むようなもの」だと言われますが、まさにその通りだと今では感じています。
自分に合った「勝てる手法（ルール）」は自分で作るしかない
具体的な売買ルールや手法を詳細に示してくれる情報は意外と少ないものです。
今思えば、それも当然です。というのも──
どの銘柄向けのルールなのか、現在の相場環境に合っているのか、時間足・時間帯・運用資金・リスク許容度・注文環境・トレードにかけられる時間（兼業か専業か）など…
これらの条件次第で、最適な手法は大きく変わってくるからです。
つまり「誰でも勝てるルール」は、そもそも存在しないと言っていいでしょう。
さらに、他人に手法を公開してしまえば優位性が失われる──という側面もあります。
不特定多数に向けて書かれた情報やSNS上の“勝ちパターン”を鵜呑みにするのは避けた方が無難です。
最終的には、自分の環境や性格、資金状況に合ったルールを、自分自身で見つけて磨いていく必要があります。
人から教わった手法の限界。“根拠”はどこから生まれるか？
例えば、有料コンテンツや知人から「勝てる手法」を教えてもらえたとします。
仮に、月平均で100万円の資金が10万円増える手法だったとしましょう。
これだけ聞くと、「じゃあその通りに売買すれば自分も勝てるじゃん」と多くの人が考えると思います。
ただ、それは結果が見えているからこそ簡単に思えるだけです。
それだけで「同じように勝てる」とは限りません。
例えば、
- 前半2週間で10万円損失を出し、
- 後半2週間で20万円利益を出してトータルで10万円プラス、
を想像してみます。
おそらく、10万円の損失が出た時点、あるいはその前段階で
「え、全然勝てないじゃん…」と感じて、辞めてしまう人が多いのではないでしょうか。
結果として、多くの人が-10万円の時点で手を引き、
そこで終わってしまう可能性の方が高いと感じています。
「トータルで勝てる手法」も、途中で離脱してしまえば負けに終わります。
「バックテストでルールに“数字の根拠”を持たせる」
筆者も過去に
追証
を経験し、一時期トレードを離れていた時期がありました。
それでも相場は眺め続け、情報収集は欠かしませんでした。
そんな中で「バックテスト」という言葉に出会います。
最初は「
システムトレード
用のもので、自分には関係ない」と思っていましたが、
試しに調べはじめて、そこから自分なりのトレードルールという物が何となく作れるようになりました。
感覚だけに頼らない。「数字」で支えるトレードルール
裁量トレード
でも「
バックテスト
」で検証することで、
感覚だけでなく、**過去の相場データに基づいた“根拠あるルール”**を作ることができます
- どのタイミングでエントリーするか
- 利確・損切りはどの基準にするか
- 勝率や損益比はどうか
これらを実際の チャート に当てはめて検証することで、「自分のルールは優位性があるのか？」を客観的に判断できます。
トレードルールに迷ったら、バックテストから始めてみよう
トレードに不安や迷いがある人こそ、まずは簡単なルールを決めて過去
チャート
で検証することをおすすめします。(バックテストについてはこちら)
ルールに「数字の裏付け」があるだけで、実践での不安も大きく減ります。
ルールを決めたら徹底的にそれに従う
自分なりに根拠のあるルールができたら、感情を一切排してそれに従うことが重要です。
過去に負け続けてきた「自分の感情」や「相場感」を頼ってはいけません。
感情で動けば、せっかくのルールの優位性も簡単に崩れてしまいます。
感情がトレードを狂わせる理由
人間には「 プロスペクト理論 」と呼ばれる心理的傾向があります。
- 損失はなるべく避けたい
- → 損切りができなくなる
- 利益はすぐに確定したくなる
- → 利確を急ぎすぎる
この心理に従うと、トレードでは損は大きく・利益は小さくなりがちです。
つまり、「損小利大」を目指すルールと、本能的に真逆の行動を取りやすいということです。
「ルールに無いことはやらない」と決める
- 利益が出ていても、ルールに利確条件がなければ利確しない
- 想定外の値動きが起きても、焦ってルール外の損切りや利確はしない。
このように、「ルールにないことは一切やらない」という強い意識が必要です。
最初はルールが甘く、現実のトレードで「想定外」のことがたくさん起こると思います。
その都度、実践と
バックテスト
を見直しながらルールを改善していくことが、
「自分に合ったトレード手法」の完成に近づく道だと考えています。
自分だけの手法を見つける工程は、意外と楽しく、そして奥深いものです。
ちなみに筆者の現在の運用は、完全に自動売買です。ルールに無いことは「しない」というより「できない」仕組みにしており、感情に左右されずルール通りに運用しています。
